世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「…深景さんにはあたしの気持ちはわからない」


あたしは自分を大事にしたくてもできない境遇なんだ。


生きる価値なんてない存在なんだ。


深景さんとは違う。


「そりゃそうだろ。お前が話さない限り俺は何もわからない。その代わり、話してくれるんなら真剣に聞く」


青みがかった茶色の瞳で真っ直ぐに見つめられ、トクンと胸が波打つ。


「…いきなり俺のことを信じろっつっても無理だろーけど、俺はお前のことを助けたいって思ってるよ。何となく放っとけねぇっていうかさ」


深景さんはそう言って小さく微笑んだ。


…私はこの人を頼ってもいいんだろうか。


……きっと、いい。


頼るのが1番いい。


根拠はないけど、なんとなく、そう思った。
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