初恋のキミに、さよならを【番外編】
【りく side】
「りくのことが好きでした」
思ってもみなかった言葉に、俺はとても驚いた。
桜は、俺に恋人である美咲がいるのを知った上で告白したのだ。
だから、なにかの間違いだと思った。
でも、桜のその瞳は真っ直ぐ俺を見つめていて到底、冗談とは思えなかった。
「‥‥‥いつ、から?」
そう訊ねた声は、自分でも驚くほど弱々しかった。
「中1の時、初めて出会った時から」
桜の目には、涙がうっすら溜まっていた。
俺は、ずっと友情のままの関係だと思っていた。
けれど、桜はずっと友達から恋人へと変わりたかったのだと初めて知った。
「本当は、引っ越しする別れ際に伝えたかったの。りくに会うのは、その日で最後だと思ったから」
俺は、あの日のことを思い出した。