君のとなりで恋をします。─下─









「…出かけんの?」








階段を降りたところで、弟の楓真(フウマ)に声をかけられる。


…出たな、生意気な弟め。










「桜河に差し入れ持ってこうと思って。」








「え…!?俺も行きたい!

桜河くんが泳いでる所見たい!」










この桜河信者め…

桜河の話題になると、すぐに目の色を変えやがる。





楓真は、桜河の背中を追って紅羽学園の水泳部に入部する気満々だったのだけれど……

オツムの方が足りずに、一般入試で不合格。





仕方なく他の水泳部のある高校にこの春から入学し、それを機に寮に入った。



まぁ、寮生活とは言っても、一応県内だし…

部活のない日にはこうして実家に舞い戻ってくるのだ。










「だーめ。

うちの学校、部外者の出入り禁止なので。」






「なんだよ、このケチ!!

ボケ姉貴!!」






「なんとでも言いなさい。」










私は喚く楓真を軽くあしらい、そのまま学校への道を進んだ。










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