無気力さんと同居するらしい


帰り道

無言でただ引かれる手について進むだけ


「痛くない?」

「歩ける」

「痛いかって聞いてんの」

「……痛い」

ぽろっと出た本音

痛いに決まってんじゃん

血出てるし


「…馬鹿だなお前。最初から痛いって言えばいいのに」



私は、そういう人間じゃないから

「私は…そういうの、似合わないから」


あるよね
そういうの

似合わない人間っているよね

私は、誰かに甘えたりするのが似合わないの

素直に頼れるように、できてないの


「…確かにクッソ似合わねえな」


なんだよ

お世辞でも庇ってくれるものかと思ったけど、この男はそういう気を回せないタイプだった


「でも…俺には、似合わないことして欲しい」

…?

思わぬ続いた言葉に驚く

「俺は、梓のお節介なところは知ってるから。それ以外のところを見せて欲しい」

……なに、それ

どういうこと


「俺は梓と同じ家に住んでて、他のやつより梓といる時間が長い。俺にとって梓は特別だし、梓にとって俺は特別」

何を…言ってるの

「みんなは知らない梓のこと、俺は知っててもいいだろ。梓が学校では仮面付けてるけど、家ではそんなんじゃない俺を知ってるみたいに」


< 203 / 317 >

この作品をシェア

pagetop