【短】君のヤキモチで、
「は?」
「久しぶりに呼んだでしょ?」
「は、なんなのお前。そんなんどーでもいいし。早く帰んぞ」
年に1回だけしか呼ばれない私の名前。
変だよね。年1なんてさ。
それは今に始まったことじゃないんだけど。
いつからか年1しか呼んでくれなかった私の名前。
でも、今年は2回も呼んでくれた。
そのことが嬉しくて嬉しすぎて。
「気持ち悪い顔」
「そんな風にさせたのは大翔だし〜」
「言ってろ。……ハー、マジムカつく」
「なにが?」
そう聞いたとき、大翔の顔が近づいて
「歩澄のばーか」
と一言。
バカは余計だと思いつつ
帰り道、珍しく手を彼から繋いできたことに胸が高鳴った。
でも一番は、軽く触れただけのキスに、溶けちゃいそうなくらい、からだが熱いんだ。
END.


