若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
「ああ、酔ってる感じはしないんだが……でも、そうだな、酔ってるのかもな」


自分でもよくわからない…と呟く彼は、手に持っているグラスを揺らし、カラカラと氷の音を響かせてくる。


「野暮用があって、今一人で飲んでたんだ。でも、急に君と話がしたくなって…いや、顔が見たい…と言うか、会って話がしたい」

「ええっ!?今から!?」


何時!?…とちらっと目線を走らせれば、既に二十一時は過ぎている。


「駄目か?」

「いえ、駄目とかでは、ないですけど」


勿論、まだ子供の時間だし、普通なら全然気に留める時刻でもない。だけど、相手は男性だし、それに、これから出掛けるとなると、やっぱり少し遅い気もして躊躇った。



「…だよな。やっぱり無理だよな…」


ごめん、急に悪かった…と落ち込むように呟く彼は、また日を改めて連絡する、と言い直す。



「あの…」

「ん?」

「今、何処に居るんですか!?」


思いきって訊ね、「少し遅くなるかもしれませんけど、今から向かいます」…と宣言した。


「えっ!?」

「私も貴方に話があります。だから、伺います」


< 107 / 137 >

この作品をシェア

pagetop