若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
「実は今度、『染屋白浜』で、僕の描いた友禅を展示して貰えることになったんだ。それで挨拶がてら店の様子を知りたいと思って見学に…あっ、ご店主、お久し振りです」
彼は後方からやって来る祖父に視線を向け、「ご無沙汰しております」と頭を下げた。
「ははは、琉成君、私はもう店主じゃないよ。代は息子に譲ったから、現在の店主は香織の父親だ」
自分はもうご隠居さんだ、と祖父も喜びながら握手を交わす。
実は、この琉成さんというのは、以前からうちの店と取引のある友禅作家の息子さんで、フルネームを窪田琉成といい、私よりも十歳年上の人なのだ。
彼は父親と同じく友禅作家の一人で、これまで彼の描いた友禅をうちの店で取り扱ったことはなく、初めての展示に居ても立っても居られず、様子を見に伺いました、と早口で祖父に説明した。
「噂には聞いておりましたが、本当に素晴らしい施設ですね。全国各地から選りすぐりの一級品ばかりが集められ、それが老舗店によって展示販売されている。
こういう環境で、自分の着物が初めて展示されるのかと思うと胸が鳴ります。僕はまだまだ未熟者ですが、お客様の目に留まれば幸いです」
彼は後方からやって来る祖父に視線を向け、「ご無沙汰しております」と頭を下げた。
「ははは、琉成君、私はもう店主じゃないよ。代は息子に譲ったから、現在の店主は香織の父親だ」
自分はもうご隠居さんだ、と祖父も喜びながら握手を交わす。
実は、この琉成さんというのは、以前からうちの店と取引のある友禅作家の息子さんで、フルネームを窪田琉成といい、私よりも十歳年上の人なのだ。
彼は父親と同じく友禅作家の一人で、これまで彼の描いた友禅をうちの店で取り扱ったことはなく、初めての展示に居ても立っても居られず、様子を見に伺いました、と早口で祖父に説明した。
「噂には聞いておりましたが、本当に素晴らしい施設ですね。全国各地から選りすぐりの一級品ばかりが集められ、それが老舗店によって展示販売されている。
こういう環境で、自分の着物が初めて展示されるのかと思うと胸が鳴ります。僕はまだまだ未熟者ですが、お客様の目に留まれば幸いです」