あの丘で、シリウスに願いを
「翔太、六平先生、今日は昼メシも食べれなかったんだぞ」
眉をひそめながら、水上が言ってくれた。

「知ってるよー。ついさっき、カップ麺食べてたもん。じゃあさ、あと1時間だけ。ね?」

やっと時間を見つけ、カップ麺を食べていた事も知っていてなお、仕事を置いていこうという神経がわからない。
だが、彼は部長だ。上司の指示なら従わなければならない。

「…わかりました、部長」

まことが、答えた。
自分でも愛想がないことはわかっている。だが、相手はあまり尊敬できない上司。いつも以上にぶっきらぼうになってしまった。

「まことちゃん、部長って言うのやめて。俺、肩書きで呼ばれると背中がぞわぞわするんだよね」
「じゃあ、私のことも『まことちゃん』って呼ばないで下さい。漫画のキャラクターみたいでぞわぞわします」
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