地獄船
「作らなかったらどうなるか、考えてみろよ」


俺は浩成へ向けてそう言った。


浩成の顔色がサッと青ざめる。


参加しない奴だって、きっと殺されるだろう。


浩成は何も言わず、真っ白な紙を見つめている。


ここに梯子みたいな図を描いて、その下に当たりと書けばおしまいだ。


たったそれだけのことだ。


緊張が走る中、綾がペンを握った。


「最初は書きにくいと思うから、あたしが書く」


そう言い、真っ直ぐな線を3本引いた。


「ありがとう」


俺はそう言い、ペンを受け取った。
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