地獄船
鬼からのプレゼントなんて受け取らなくていい。


箱の中になにが入っているか、想像するだけで恐ろしかった。


そんな箱に、綾は自分から手を伸ばした。


手は震えていて、恐怖で顔が引きつっている。


それでも当たりを引いてしまった綾は、覚悟を決めていた。


「じゃあ、箱を開けて見ろ」


鬼に言われ、綾と小恋が少しずつ包装紙を剥がしていく。


緊張と不安が2人を押しつぶしてしまうんじゃないかと思えた。


それは時間にしてほんの数分だったけれど、永遠のように長く感じられた。


そしてついに、綾が箱を開けてしまった……。
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