地獄船
「あ、あの、年齢がなにか……?」


浩成がおずおずと質問する。


「うん、いや、娘と同じ年だ」


「へ!?」


俺は思わず声が裏返っていた。


鬼に同年代の娘がいるなんて思わなかった。


「丁度反抗期でな、なかなか大変なんだ」


そう言い、鬼は人間の父親のようにため息を吐き出した。


「お父ちゃん、お姉ちゃんの話しなんてどうでもいいよぉ!」


小さな鬼の1匹がそう言い、鬼の足にしがみ付く。


どうやらこの状況に飽きて来たようだ。


「ん? あぁ、そうだな。じゃあとりあえず移動するか」


鬼はそう言うと同時に船からジャンプした。
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