地獄船
浩成がトイレから戻って来たのは10分ほど経過してからだった。


「お前ウンコだろー!」


トイレから出て来た浩成を、子鬼たちがつつく。


「悪いかよ」


浩成はそう言いながら俺たちへ視線を向ける。


10分という休憩時間を貰った俺と綾は随分と体が軽くなっていた。


これならどうにか起き上がる事はできそうだ。


次のゲームが何かにもよるけれど、汗もひいた。


「綾、大丈夫か?」


「うん」


ミヅキの方へ視線を向けると、ミヅキはぼんやりと空中に視線を投げかけていた。


さっきから何も話さないし、何も耳に入っていないように見える。


「ミヅキ、次のゲームだぞ」


そう声をかけて見ても、反応はなかった。


ミヅキはマットの上に正座したまま、ボーっと天井を見上げている。


この様子じゃ次のゲームに参加できなさそうだ。
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