地獄船
ジッと立っていたミヅキが突然走りだしたのだ。


周囲は子鬼に囲まれていて逃げ道なんてないのに、その子鬼たちを蹴散らしながら進もうとしている。


が、そんなことができるハズがなかった。


ミヅキは子鬼の1人に掴まり、悲鳴を上げる。


長い爪がミヅキの腕に食い込んでいるのがわかった。


「こいつ、逃げようとしやがった!」


「悪い奴だ!」


「こらしめてやれ!」


周囲の子鬼たちが一斉にざわめく。
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