君の腋を舐めたい
「よし!皆、長い戦いになったがよくやった!!
・・大沢ぁ。お婆さんの仇は取調室でたっぷり取ってやるからな。覚悟しておけ!!」
手錠をかけた大沢の身柄を車へ押し込んだところで、よ~やく本事案に終止符が打たれた。
なかなか逃亡先,潜伏先が見つからず猛暑の中、聞き込みに走る日々が続いたけど、
明日からちょっとだけゆっくり出来るかな・・。
『・・・シ・・ト・・・。』
「え・・・・・?」
「星野?どうした?」
「・・・・・・・・・・・・・?」
「おい星野!」
「あ、はい・・すみません。」
「大丈夫か?」
「あ、はい。」
大沢が身を隠していた、
空き家物件という名の廃墟。
そこから僕も関本主任の車に乗り込もうとしたところで・・・なんだろう・・
“女性”の声が聞こえた気がした。
「気のせいかな・・・。」
周りを見渡しても、
夜の暗闇が広がるばかり。
「出してもいいか?」
「はい。すみません。」
助手席に乗り込んでシートベルトを締めた。