遺書
「叔父さーん、生きてる?」
「おー、来たか、ガキんちょ」

私の声に部屋の奥から叔父さんの声が返ってくる。よし、生存確認完了。

「花のJKが来ているのに、その言い方はないじゃん!」

私は文句を言いつつ、靴を脱いでから部屋の奥へと足を運ぶ。引き戸を開けるとこちらに背中を向けている状態で叔父さんが机にかじりついている。ペラ、と紙をめくる音と鉛筆を走らせる音が聞こえたが、私が一歩振り込むと叔父さんはこちらを振り向いた。叔父さんは無精髭を生やして目の下にクマを作り、少し疲れた顔をしていた。

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