遺書
「刑事さん、これは叔父さんの遺書じゃないですよ。作家である『高瀬透』の遺書です」
「何言っているんだ?どっちも一緒の事だろう?」
「全然、違うよ!この遺書には作家の『高瀬透』が病で筆を折ったことに対する謝罪文だよ。それにこの文を見てよ」

私は遺書の最後の部分を指で差す。

「『この遺書は小説家『高瀬透』の遺言だ。残るのは空っぽになった廃人だ。…お前の大好きな作家先生を殺してすまない。』作家の自分はいなくなるけど、ただの叔父さんは残るって書いていてあるんだよ!こう書いている人が自殺するはずない!!」

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