お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
そんな幸せなハネムーンから帰ってきて数ヶ月が過ぎようとしていた。私は忙しない日常を送っていた。薫さんも相変わらず仕事が忙しく、最近は出張で家を空けることが多い。

だけど一緒にいれるときは、とびきり甘くて幸せな時間が待っている。それに出張先でも毎日のように連絡をくれるから寂しい思いはしていない。

毎日忙しいが薫さんの深い愛情と周りの人たちの温かい支えの中で充実した日々を過ごしている。

「美月、久しぶり。会いたかったよ」

「私も会いたかったよ。お仕事お疲れ様」

仕事終わりに紗希がお家に遊びに来てくれて久しぶりに顔を合わせれば、自然と胸が高揚していくのが分かる。

「九条さんとの生活はどう？」

「仲良くやってるかな。明後日には出張先から帰ってくるから、お花見に行ってそのあと一緒に映画を観に行こうって話になってる」

「幸せそうな顔しちゃって。ごちそうさま。それにしてもあんだけ九条さんのことを拒絶していた美月がこんな風になるなんて、人生なにが起こるか分からないね」

リビングのソファーに座りながら、紗希が感慨深げにそう呟く。

本当に紗希の言うとおりまさかこんなことになるなんて夢にも思わなかった。今では薫さんのいない人生なんて考えられないもの。それくらい薫さんは私にとって今、大切な人なのだ。
< 142 / 152 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop