ONLY YOU~身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様~
そして、私のテーブル席に座り直した。

「まさか、有村…一部始終見ていたのか?」

「え、あ…」

まさか、ランチタイムのオープンカフェで上司である伊集院徹也(イジュウインテツヤ)課長の別れ話に遭遇するなんて、互いにバツが悪い。


「俺と彼女は付き合ってないぞ」

「それは訊きました…はけ口だと…」

「君は一人か?」

「はい、一人です」

私はアイスコーヒーを啜り、プレートに残ったハムサンドを口に運んだ。

「彼女のおかげでお気に入りのスーツが台無しだ」

不機嫌に顔を歪ませ、アイスコーヒーをストローで啜った。

「これからまた・・・外周りですか?」

「いや…一端戻る…それよりも俺の頼んでいた書類の作成はもう終わったのか?」

「課長のスケジュールに合わせて間に合うように作成します」

「まだなのか…急いでくれ」

「はい」

「じゃ俺は先に行く…」

課長は私の伝票をそっと手にして立ち上がる。

「えっ?それは私の伝票ですけど…」



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