ONLY YOU~身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様~
部屋は「フロンティアホテル」特有の英国調のアンティーク調の家具や調度品で統一され、クラシカルな雰囲気を醸し出していた。

お風呂はとても広く、二人で浸かっても十分な広さがあった。

アメニティグッズも豪華で洗面台の鏡は大きく、周りを縁取る細工は繊細で芸術的。
どこを見ても素敵で、この部屋がタダだとは宇佐美社長に感謝の言葉しか出ない。
「風呂はどうだ?」

徹也さんも私を追い駆けて、バスルームに入って来た。

「凄いですよ」

「そうだな」

「次はベットルームか…」

「え、あ」

私は照れ臭く頬を染める。

「照れてるのか?」

「いえ…あ…だって…」

今夜が二人にとって初めての夜。

「俺もまぁ―・・・照れ臭いよ」
徹也さんも私と同じ表情を浮かべる。
クールな上司だった彼が見せる素顔に私は鼓動が跳ねる。
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