ONLY YOU~身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様~
同棲のはじまり
私と離れたくない。
そんな彼の切羽詰まった声に押され、私は徹也さんと一緒に彼のマンションに向かう。

彼の住むマンションは本店近くのダークブラウンの二十階建ての高級マンション。
彼の住む部屋十四階。


「どうぞ」

彼がカードキーでドアを開けて、私を招き入れた。


小樽から東京に戻ったと言うのに。

二人でこうして同じ部屋に入るとまだ旅行している気分になった。


でも、この部屋は徹也さんの部屋。


玄関は広々とした大理石。

部屋もワンフロアで広々としていた。

「適当に座って」

「あ、はい」

私は彼の言葉に甘え、ソファに腰を下ろした。
程よい柔らかさで座り心地の良い黒のレザーソファ。
大人五人が座れそう。

それに、私の部屋が丸ごと入ってしまう広さだった。


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