ONLY YOU~身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様~
向かった先は彼の実家。

元々は乃彩夫人の生家らしい。

時間は夕暮れ時、辺りはオレンジ色に染まっていた。

「ただいま」
乃彩夫人と使用人が私たちを出迎えてくれた。

「お帰りなさい…てっちゃんにほのちゃん」

乃彩夫人は相変わらず、私の前でもてっちゃんと呼んでいた。

「その呼び名は止めてくれと何度も言ってるだろ?母さん」

「どうして?
何歳なっても貴方は私の息子よ…」

「そうだけど…」

「私は気にしてないから…大丈夫ですよ。徹也さん」

「いや、俺が気にする・・・」

「着物姿も良かったけど…私服姿も可愛いわね…ほのちゃん」

「ありがとうございます」

「じゃ奥へと案内するわ…ほのちゃん」

「お邪魔します」

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