ONLY YOU~身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様~
初めての喧嘩
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あの推しのルキ君と握手してしまった。

私はその感動が冷めやらぬまま、頭取室を後にした。

エレベーターホールで待つ間も、ルキ君と握手を交わした右手を見つめる。

ーーートイレに行っても、右手だけは洗えそうにない。

どうしよう!?

右手は私の利き腕なのに。

「!?」
すると徹也さんが私の右手をがっちりと握って来た。

「ち、ちょっと何するんですか!!?」

私は思わずマジに切れてしまった。

「穂香お前なぁー・・・夫となる俺の前で何、ほかの男の事考えてんだよ!」

「徹也さん…その嫉妬おかしいですよ。目の保養だと言ってるでしょ?」

「穂香と言い、母さんと言い…あんな奴のどこがいいんだよ…全く」

「徹也さん…お義母さんにも嫉妬してるんですか?」

まさかとは思っていたが…

やはり…

私の疑いは確信に変わった。

エレベーターが到着し、扉を開いた。

「乗るぞ」

私たちは足早にエレベーターに乗り込んだ。

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