俺様天使の助手になりまして
突然の、終了です
[突然の、終了です]

 教会のいつもの部屋で待っていると、オタク天使がサナダを連れてやってきた。みんなでテーブルを囲むと、アクマ天使が早速話を始める。

「今日の会議で話されたことを、二人に伝える。よく聞け」

 こんな真剣で真面目な口調、最初に精玉のことを詳しく聞いた時以来だ。頷いて見せたついでに、ごくんと息をのみ込む。

「まず、事の起こりは、こうだ。先日、魔界から天界に連絡が来たそうだ。〝天使が魔界にいる。何とかしろ〟と」

「え、天使が魔界に行けるの?」

 魔界って、日が射さなくていつでも暗くて、ヌメヌメじめじめしてるイメージだ。そんなところに天使が行ったら、いろんなところの浄化ばかりして、すぐに弱っちゃいそうだけど。

「勿論、普通は行けないんだ。一万年前にあった天魔大戦の後に協定を結んで以来、しっかり別れているからね。まず、弾かれる。だけどこれが哀しいことに、魔に墜ちれば天使は魔界に行けるんだよ」

 説明してくれたオタク天使が哀しそうに眉を下げる。アクマ天使も腕を組んで、眉間にシワを寄せて目をつむっている。ふたりとも辛そうだ。

「魔に堕ちるって、どういうことなの? 天使を捨てて悪魔になるってこと?」

 そんなこと、できるのかな。それに、魔界の人が「何とかしろ」って言ってくるなんて、どういうことなの?
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