俺様天使の助手になりまして
大事な何かを、忘れています
[大事な何かを、忘れています]

 ピピピ、ピピピと目覚ましが鳴っている。

「ん、朝かぁ」

 う~んと伸びをして、いつも通りに起きた朝。ベッドから下りて、カーテンを勢いよく開けた。

「ん、眩しいっ」

 窓の外は、抜けるような青空。

 朝っぱらからギラギラの太陽がやる気満々で、セミも大合唱を始めている。今日も記録的な暑さになりそうだ。

 着替えて、いつも通り下におりていく。朝ご飯を食べながらお天気お姉さんの可愛い笑顔を見て、身支度を整えた。

「あ、もうそろそろかな」

 ──って、あれ? 私何を待っているんだっけ? 

 お気に入りのカバンの中には夏休みの課題が入っている。

 スマホも財布も当然のように用意してあり、出掛ける気満々で準備万端だ。

 それで、どうして玄関でボーッと立っているんだろう? きっと約束があるんだ? 

 スマホの時計は九時をちょっと過ぎたところだ。

「あれ? 香奈と約束してるんだっけ?」
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