君を輝かせるのは私だけ。
恐る恐る顔を上げてあおを見ると、

「なんで、笑って、んの?」

「え、笑ってます?でも計算通りだったからラッキーだなとは思ってます!」

ふふ、と明らかに嬉しそうなあお。

俺らみんな頭にハテナを浮かべていると、

「頭強く打つと、ドクターストップかかるし、生死に大きく影響するから、頭だけは守ろうと思って。足は、なんとか動きさえすればどうにでもなると思ってたので。」

「いや、正気か、馬鹿。足もドクターストップだっての。莉緒、今は点滴とか色々してるから痛まないだけで」

健さんが慌てて突っ込む。

けど、至って本人は真面目なようで、

「それが何?四年後またこのメンバーでオリンピックを目指せるなんて限らない、でしょ?チャンスは今しかないんだから!お願い!けんくん!」

もうだいぶ慣れたのかいつも通りにハキハキ話す。

鳥肌たった。

あおは、本気、だ。
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