眼球
あとがき
あとがき


【ここでナレーション(声色)】
※背景的には…戦隊モノの紛いものなぞがピタリかな


さてさて、諸君…劇場版『怪人マルチの反逆。を逆襲2』はどうであったかな?実に素晴らしい作品であったろう?だろうだろう。
うん?なに、そんなものは見ていない?私はずーっとこうしてぺらりぺらりと頁を捲っていただけだ。と…?

それは可笑しい。それでは困る。てっきり今頃諸君は各々を自由気ままに映画監督、ベストセラー作家、音楽家にでも化けて世界を股に掛け飛び回っている頃かと踏んでいたのだが…。

(これだからあとがきは遠慮したいとあれほど………ま……考え……使…勿…)
※以下これにて省略


「ぶつくさ。」


まあいい。まだ筋の見えない諸君には「彼」という男、この男についての解説をしなければいけないようだ。どうやら「彼」の思考そのものが著者の理想に直接結びついているようだからね。

…しかし。しかしだ。そんな堅苦しい能書きには構わないで、スパリあとがきといこう。

この彼という男、本来ならば平穏な…いや、諸君を代弁するならば…

「違うなあ!」

の一言であろう?
もっとこう…まるで物語の主人公のような存在であるべきでは?破天荒な生活の中、ドラマティックな出会いや別れ、万人に愛され、勇敢に悪へと立ち向かうような、そんなスペシャルな男性であるべきなのでは?と。
例えば…怪獣を退治したりさ。猫型ロボと生活したりさ。今は亡き彼女と抱き合ったりさ。
まあこんな風に考えたりもするだろう。

く…く…くく。
愉快!ああ愉快だ。主人公と名を名乗る超絶美徳集団…と。
お生憎様。先程ニヤけた諸君は実に残念だ。ある意味惜しい。よって皆々まとめてブービー賞に讃えよう。いやあ、おめでとう。
実のところだね、そんな愉快なことになっては我輩の存在に危機が迫るのだよ。彼がハンサムでミラクルな青少年でないことを諸君に詫びるつもりは毛頭無いが、平謝りだけはしておこう。これは我輩自身の保険でもあるからね。

…なに?少し自分勝手なんじやあないか?
おやおや勘違いしてもらっては困る。私は著者の逆鱗に触れたくないだけなのだよ。
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