僕ハ無窓ノ居室デ無限ノ虚構ヲ夢想スル
暇なので縁側でコーヒーでも飲みながら本でも読もうと思ったら、縁側に悪魔がいた。


手のひらに納まるくらいの黒くて小さなそれは、針金のような手足をぶんぶん振り回し、小さな牙のある口を開けて喚いていた。



「てめえー、この間はよくも本に挟んでくれたなー!

俺様はしおりじゃねーんだよ」



と、悪魔がそんなことを言うので、僕も


「そう言えばそんなこともあった気がするなぁ」


と思い出した。



「てめえ、思い出したか?ってか、忘れてたな!!」



相変わらず品のない悪魔は煩い。


< 26 / 72 >

この作品をシェア

pagetop