僕ﾊ無窓ﾉ居室ﾃﾞ無限ﾉ虚構ｦ夢想ｽﾙ

やがて坂を上りきると、海に平行して走る道に出た。

脇には街路樹が立ち並び、僕は木々の真下に出来た影になるべく隠れるようにして歩いた。


右手には穏やかで青い海が見える。


ﾋﾞﾙの間からわずかに見える水平線の上には、更に濃い青色の空が広がっていた。



車はほとんど通らず、道はただ静かだった。



途中、道の脇の小さな酒屋でよく冷えたﾋﾞﾝ入りの麦酒を二本買った。


銘柄はよくわからない。


ただ、ﾉﾝｱﾙｺｰﾙではないことくらい僕にでもわかった。