【番外編】好きの海があふれそう
そして、杏光22歳、海琉21歳――



パッと目を覚ました俺。



なんか昔の夢を見た気がする…。



俺は隣で眠っている杏光を見た。



くぅくぅと安心しきって眠っている。



俺はその寝顔に笑みを浮かべる。



えーっと、なんの夢見たんだっけ…。



そうだ、杏光がただの幼なじみだった俺にあれこれと自分の恋愛話を聞かせてきて…。



ああ、そうだったそうだった…。



普段忘れてることにしている杏光の過去の恋愛。



思い出しちゃったじゃん!



杏光の初めては全部俺がいいのに全然そうじゃないんだもん…。



今までの杏光の恋愛の中で一番俺が愛されてるのは知ってるけどさ…。



隣の杏光を引き寄せた。



キスしちゃうもんね…。



杏光の唇に軽く触れると、杏光がそっと目を覚ました。



「ん…なに?」

「ごめん、起こしちゃった」



俺がそう言うと寝ぼけ眼で杏光が目を細めて笑った。



かわいい表情…。



嫉妬してた気持ちがほどけていくみたい。



「杏光…俺だけ好き?」

「当たり前じゃん…何言ってんの」

「なんか変な夢見たから…」

「海琉がこの世の中で一番好きだよ…過去も未来も含めて」



眠そうにしながらそう言う杏光が愛おしくて、ぎゅっと杏光を抱きしめた。



俺も、杏光が過去も未来も含めて一番好き。



過去は消せないけど、今のこの幸せを嚙み締めなきゃね。



俺にしがみつくように眠る杏光と一緒に、俺もそっと夢の世界に落ちて行った。



次に見た夢は――杏光との幸せな未来。
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