溺愛音感


要所要所で絡み合う視線。
自然と重なる呼吸。
わたしの動きに合わせて、先読みする技術。


一度目は、勘がいいのだと思った。

でも、二度目の今夜、ぴたりと合うのは「勘がいい」からではないと確信した。



誰かと合わせること――ヴァイオリンと合わせることに、慣れている。


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