予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 甘やかされて育ってきた世間知らずのおぼっちゃまだろうと侮る相手も、うわべだけの言葉で取り繕い甘い汁を啜ってやろうと近づいてくる相手も、彼の物事の真偽を見抜くような怜悧なまなざしを向けられると、みんな一様に言葉につまり額に汗を浮かべた。
 
 頭の回転の速さと余裕に満ちた笑みで、どんな相手にも臆せずに対峙する。
 
 彼と一度でも言葉を交わした人は、年長者だろうが権力者だろうが彼に敬意を払うようになる。
 
 そんな彼は私の憧れだった。

 近くにいるけれど、決して手には入らないし、触れることもできない尊い人。
 
 ただそばで彼の仕事のサポートができるだけで幸せだった。


 
 そんな彼がステージの上で新社長としてあいさつをしている。
 
 それを誇らしい気持ちで眺めていると、ポケットに入っていたスマホが震えだした。
 
 ちらりと画面を見ると、実家の父からだった。
 


< 41 / 298 >

この作品をシェア

pagetop