ロミオは、ふたりいない。

「リョータ」



ユートが声を掛けた



「ユート…」



「ふたりで勉強?」



「うん…
そっちも?」



成瀬が私を見た



「うん」



成瀬の隣にいた先輩は

綺麗でかわいくて

フワッとした女の子らしい服を着てた


腰まである長い髪が似合ってた


スカートから出た脚が細くて白かった

私とぜんぜん違う


私なんて日焼けしてて

恥ずかしくなる


今日もジーンズにTシャツだし



「木々羅…髪、切ったんだね…」



「あ、うん
変かな…?」



私なんで成瀬に聞いてるんだろ?



「別に…」



「うん…」



なんだろう

このやりとり…



「サアヤ、行こう…」



サアヤって呼んでるんだ



先輩が成瀬の腕を掴んだ


お似合いのふたりに見惚れた



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