■王とメイドの切ない恋物語■
向こうから、近づいてくるのはトーマ様だった。

私は、あわててクローバーをポケットに隠し、立ち上がった。


「リリア、こんなところで珍しいな」

中庭は小さいので、庭でくつろぐなら、花がたくさん咲いている、庭園に行く人が多いからだ。

「今日は、中庭の気分だったんですよ」

自分で言ってて、意味わからない。

本当はトーマ様のプレゼント考えるのに、エリックの所に行って考えるのは、ちょっと気が引けたからだ。


今もエリックの所に遊びには行っているが、こんな時は行きにくい。

ただそれだけだった。


トーマ様は少し考え込んでいる。

私はトーマ様に聞いてみた。

「トーマ様は、どうしてここへ?」
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