■王とメイドの切ない恋物語■
チチリさんは、声をひそめて

「何でも、表向きは、ソフィア王が城をあけるから、その間、姫を頼むって感じになってるらしいんだけど、実際は、エリザベス姫がトーマ様とお近づきになりたいから、本当は自分の城でお留守番だった所を、ソフィア王にお願いして、うちのお城に来ることになったみたいよ」


「そっ そうだったんですか…」



やっぱり、トーマ様狙いだったんだ。

トーマ様、かっこいいもんな。

お姫様が相手じゃ、私なんか全然かなわないよ…。

ちょっと泣きたくなる。


私は、少し落ち込んだ。


「まぁ、リリアもこの1週間辛いかも知れないけど、がんばりなさいよ」



チチリさんが、こっちを見て言った。



え…?



「リリア、トーマ様のことが好きなんでしょう?」


「え?なっ なんで?そんなことないよーっ」

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