とりあえず、溺れとく



ひとくち齧ると、ハルキくんはハイライトの存在を知らなそうな瞳をして、くちもとだけ笑った。



「もしそれが毒リンゴだったら、どうする?」



ハルキくんは、溺れたがり。



「潔く死んでおくよ」



わたしは、笑いたがり。



眉を下げて、いつものように笑う。



「ふぅん」



彼は息を吐いて、まばたきを繰り返した。


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