夏の終わりにきみとさよなら。
その音がその姿が"青春のかたまり"だとわたしは見る度に思っている。

じんわり滲む汗すらも青春で、なにかに夢中になっている姿は少々のイライラも募るくらい煌めいているものだ。



彼らの"夢中"とわたしの"依存"は似ているようだけれど、まったくべつのものだと思い知る。



そんなことを考えながらぼんやりしていたとき、私のスマホが音を立てた。着信音とともに画面に映し出された通知をタップしてメッセージを開く。



【もうちょっとまってて。ごめん】

【大丈夫だよ】



何の躊躇いもなく返す。一瞬で"既読"がついたメッセージにいつものような安心感は生まれなかった。

メッセージアプリを閉じて普段は何気なく見ていたロック画面を見つめた。
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