ハツカフィルム
学校では勿論のこと、バイトや人間関係。
皐月の両親は幼い頃に離婚してしまい、悩みを相談出来るのも僕かお母さんくらいしか居なかった。

「はいよ。」

そして週に一回、決まって金曜日の夜九時頃、こうして愚痴大会が始まる。

「ごめんね、いつもより喋りすぎちゃったね。」

「いいよ、別に。また一週間お互いに頑張ろうな。」

「うん!」

十一時頃、愚痴大会は幕を閉じた。
スッキリした気持ちと、疲れが同時にやってくる。

でもこういう時間もきっと人間には必要なんだと、大学に入ってから一人暮らしを始めた僕は、ひしひしと感じていた。
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