イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
今一体何時だろう。
ふと目が覚めた。
大きなベッドで私たちは肌を寄せ合い眠っていた。
彼はぐっすり眠っている。
数時間前、私たちは体を重ねた。
私の体に残る余韻にまだドキドキしている。
だが信じられないほど、今は幸福感で胸がいっぱいだった。
目が冴えてしまい、私は起き上がった。すると眠っていたはずの専務が私の腕を掴んでいた。

「どこに行くの?」

「どこにも行きませんよ」

「じゃあこっちにおいで」

片方の手を広げ、愛おしそうに見つめる彼の目に引き寄せられ私は優しく抱きしめられるよう眠った。

「もうこれでなんの心配もないな」

「え?」

「君も全てを知ったから、演技しなくて君の両親に俺も思いは伝わるってこと」

そうだった。
両親に合わせるんだった。
でも本当に良かったの?
ふと不安がよぎるのはどうして?
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