ふたつの羽根
「おぉっ!やっと帰る気?」
下からあたしを見上げて嫌味っぽく笑う有亜は鞄を肩に掛け立ち上がる。
パンパンとスカートを叩き「行こっか」と言って有亜は先に足を進め、その後をあたしは追う。
大通りを抜けて住宅街に足を踏み入れると辺りは真っ暗になり切れかけの街灯がチカチカと点滅している。
有亜と別れるいつもの場所で「ねぇ…」と有亜は声を出す。
いつもすぐ別れるはずの有亜が足を止め振り返った。
あたしは首を傾げ「何?」と同じく足を止める。
なんとなく有亜の表情からしてこの先、言ってくる予想はつく。
有亜は少しズレた鞄を肩にしっかりと掛け直し、あたしに目を向けた。