ふたつの羽根
あータバコか…
って考えてみれば未成年だから悪い事だけど。
最後の階段を下りた所で、あたしの鼻に鋭い痛みが走った。
「いたっ」
慌てて自分の顔に手をやり下を向くあたしに「わりー立ち止まって」と田上はあたしから少し離れた。
鼻から手を離し立ち止まる田上を見てあたしは口を開く。
「何で行かないの?」
田上は壁に背をつけ「前から言おうって思ってたんだけどさー」と重々しい口を開く。
「何?」
「あいつ止めとけよ」
田上は両手をポケットに突っ込んで呟く。
あいつ…
きっと純也の事だろう。