極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 何故か楽しそうにしている彼を見て、畔は何もわからずに頷くしかなかった。

 『もう一人の海は、俺のネット友達。で、「青の音色」の曲を作ってくれた人だ。そいつは趣味で作曲活動をしてて、畔と同じように作った曲を動画配信サイトに載せてた。俺の話を聞いて、畔に楽曲を提供してくれたんだ。が、それで終わりじゃない』

 畔が真実を知り、府に落ちた顔をしたが、叶汰はまだ話があるようだった。
 これ以上驚く事などないと思い、畔は『次は何?』と、相づちを打った。

 『そこで、出てくるのが畔が好きな、偽名を使っていた椿生ってやつだ』

 突然、椿生の話が出てきたので、畔はドキッとしてしまう。が、この話に彼は関係ないように思えた。けれど、叶汰のニヤニヤした顔を見て、畔はハッとした。


 『あいつは薬剤師でもあり……自分の会社を持っている社長でもあるんだ。けど、社員は一人だけ。椿生だけだ。そして、その会社は作曲提供。椿生は作曲家でもあるんだ』
 『じゃあ、青の音色は……』
 『おそらく、あの男が作った。昔、動画配信サイトをやっていた時に「海」と名乗っていたそうだ。俺が調べたのはここまでだ』
 
< 134 / 150 >

この作品をシェア

pagetop