極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 静な喫茶店の奥のテーブル席。
 どこかアンティークな雰囲気で、店員さんも物静かそうな老人だった。甘くて美味しいココアと彼の頼んだホットサンドイッチは少し遅く届けられた。
 その心遣いに、2人はただ『ありがとうございます』と伝えた。

 落ち着いた畔の瞳と鼻の頭は赤かった。
 けれど、畔の心は落ち着いていた。




 ホットサンドを食べた後、畔は彼に送ってもらう事になった。申し訳ないと思いつつも、少しの時間でも彼と一緒にいたかったのだ。

 『今度は楽譜を持ってくるよ。昔に作ったものだから恥ずかしいけど』
 『楽しみにしてますね。それと、もしよかったらなんですけど……』
 『うん?』
 『ピアノ弾いて欲しいです…』
 『次は畔ちゃんのために弾くよ』

 笑顔でそう言ってくれる椿生。
 それは、『自分の気持ちを伝えてくれてありがとう』と言ってくれているのだと畔にはわかった。

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