極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
畔にはミルクと砂糖が少しずつ入っている。ほろ苦いけど少しだけ甘い。そんな彼の淹れるコーヒーに畔はすっかりハマっていた。
そんなコーヒーを一気に飲んだ後、畔はテーブルにカップを置き、隣に座る彼の方へと体を向けた。
真剣に椿生を見つめる。
『椿生さんに、お話があります』
『ど、どうしたの?急に………』
畔のまっすぐな視線を受けて、椿生は驚きつつもこちらを向いてくれる。同じようにテーブルにカップを置き、少し背筋を伸ばして畔の方を見た。
ノートではなく、直接手話で話をしたいも思い、畔はゆっくりと手を動かした。
『椿生さんにお願いがあるんです』
『お願い?何だろう?』
『恋人の畔ではなく、歌手のhotoRiとしてのお願いです』
声を出すわけでもないのに、畔は深呼吸をした後、1度唾を飲み込み、それから手話を始めた。
『椿生さんが作った曲を私に提供してくれませんか?』
『………俺の曲を?』
『椿生さんの曲は不思議で、楽譜を見ただけなのに自分の曲のようにすんなりと頭で再生出来たんです。それに、旋律がとても綺麗で、あの日から頭から離れない……忘れたくない曲になっているです。この曲で歌ってみたい。歌詞をつけたいって思うんです』