仮面夫婦マリアージュ～愛のない一夜でしたが妊娠しました～

「貴方が私達に連絡を寄越さないキモチは分かっている。
貴方を嫁がせて…ようやく気が付いたのよ…娘の貴方の存在が私にとって大切なモノだって…虫のいい話かもしれないけど…」

「お母様…」

私は母に疎まれただけの存在だと思っていた。

お義母さんと美穂さんが仲良くしている姿を見ていると私も母と二人のように仲良くしたいと感じていた。

だけど、それは長年積み重ねた親娘関係だからこそ築くコトが出来た関係。

私と母はその関係を築けなかった。
二人のように仲良くなれる関係は一生築けない。そう思っていた。

「私の方こそ、ゴメンなさい…流伽のように出来が良くなくて…心配ばかり掛けさせて…」


「亜優…」

「私…赤ちゃんが生まれたら、里帰りしたいんだけど…いいかな？」

「いいわよ…亜優…貴方の実家でしょ？その時は私もお父さんも待ってるから・・・」

「ありがとう…お母様」