仮面夫婦マリアージュ~愛のない一夜でしたが妊娠しました~
気分が悪いと言って席を外していた美穂さんが戻って来た。
「大丈夫ですか?美穂さん。凄く顔色悪いですよ…」

「大丈夫よ。亜優さん」
美穂さんは軽く笑って礼を言った。

美穂さんは食べきれず、コース料理を半分残した。

「一度、病院に行った方が…」

「姉さんはやっぱり…天然だな…美穂さんは医者だぞ」

「あ…ゴメンなさい…」

「そうね…内科の諏訪部先生にでも診て貰おうかな…」

「諏訪部先生って諏訪部副院長のご子息ですか?」

「そうよ…流伽君、院内の先生の名前よく憶えているわね…」

「そりゃ、俺…東亜の医者になりますから…」

「将来が楽しみね…」

「美穂、マジでちゃんと診て貰えよ。医者はカラダが資本なんだから・・・」

「・・・亜優さんの前だからっていい恰好しちゃって…お兄様」

「お前は俺のたった一人の妹だ…具合が悪いのを見てたら、心配するぞ。なぁー。父さんと母さんだって…」


周防夫妻は私達の両親との話に夢中だった。



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