仮面夫婦マリアージュ～愛のない一夜でしたが妊娠しました～

俺と長谷川副社長は新生児科と産婦人科のフロアに着いた。

亜優が俺に姿に気づく。

「颯真さん…」


遥さんと杏南夫人も一緒に居た。

長谷川副社長にとっては複雑な構図だろう。

元婚約者の亜優。元カノの遥さん、そして妻の杏南夫人。

俺だったら、狼狽すると思う。
長谷川副社長は顔色変えず、三人を見つめた。

さすがは長谷川副社長だな。肝が据わっていると言うか・・・

「杏南、話は終わったのか？」

「はい…俊吾さんこそ…」

「終わったから…此処に来たんだ。淡路が待ってる。帰るぞ」

「はい…じゃ遥さん…お忙しい中、色々とお話を訊いて頂き、ありがとう御座いました」

「いえ…二人とも…またね」

「俺達も帰るか…亜優」

「はい」