完璧王子のファンにはならない


幼い頃に両親を事故で亡くしてから私は、母の妹である叔母さんの家に住まわして貰っていた。

叔母さんもその旦那さんも、2人の息子であるお兄ちゃんも嫌な顔せず私を引き受けてくれた。

ただ、私にとって居心地がいい家とは言えなかった。

本来なら家族3人で祝う誕生日、3人で行く家族旅行、そういった日常に家族ではない私がいていいのだろうか。
日に日にその気持ちは、申し訳なさは募っていった。

それに気づいてか、食事を作るという役割を私にくれて少しでも家にいてもいい理由をくれた叔母さんには感謝しかない。

そうして中学に上がったころからその家を出る高校2年の春休みまで、朝昼晩毎日食事を作っていたから今では慣れたものだ。

叔母さん夫婦が両親が残してくれたお金には手をつけずに私を育ててくれたお陰もあり、今の生活に金銭面で困ったことはない。


本当に感謝しかないな〜


そんなことを考えながら、夜ご飯の支度を進める。

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