【完】恋の治療は保健室で〜秘密の遠距離恋愛〜

「あの、楓舞さん」

「なんだい？」

「藤川先生とはどんな関係だったんですか？」

「藤川さんとはね、高校の先輩後輩関係だったんだ。そんな中、少しだけ恋愛関係になる事があって。けど、冬和に恋心を抱くようになってから正直、藤川さんの事はどうでもよくなっていた。彼女には他に好きな人が出来たから別れてほしいって言って別れたんだけど、彼女はそれに納得出来なくて、冬和に嫌がらせするようになってね...」

「そんな...」

「冬和は全然気にしてなかったけど、僕はそれが許せなくてね。やめてくれって言ったけど、収まることはなかった。ようやく収まったと思った時はもう、冬和はもうこの世にはいなかった...」

「だからあたしの事を...」

「理由はそれだけじゃないんだ。冬和がいなくなって、僕はその頃少し荒れててね。人ともあまり関わらないようにしててね。そんな時、藤川さんがまた自分と付き合わないかって言ってきて。勿論、僕はそんな気がなくて断ったんだ」

「断ったあと、どうなったんですか？」

「断ったあとも何回も同じことを言ってきたよ。当時の僕は冬和以外は考えられなかった」