具現化アプリ
コウダイくんはノドカのことを思い出して渋い顔をする。


「それに比べてミキコちゃんはいい子そうだし、なにより本物の幽霊が見えるんだもんな。付き合うなら、全体にミキコちゃんの方がいいに決まってるよ」


その考え方は少し複雑だった。


コウダイくんはあたし自身を好きになって付き合うワケじゃない。


ノドカと比べてあたしの方がいいから、付き合う決意をしたのだ。


でも、文句は言っていられない。


あたしだってコウダイくんのことをなにも知らないまま、付き合うという条件を出したのだ。


「わかった。じゃあ、明日の放課後学校前まで来てくれる?」


「もちろん! 楽しみにしてるよ!」
< 161 / 206 >

この作品をシェア

pagetop