具現化アプリ
マジックで乱暴に書かれた文字。


あたしは咄嗟に顔を伏せた。


教室内がざわめく。


今日、移動教室から戻ってくると、あのイタズラ書きがされていたのだ。


あたしはキュッと唇を引き結ぶ。


今のクラスメートたちの反応を見ると、みんなも知らなかったんだろう。


ということは、ラクガキがされていると知っていた吉田さんが犯人で決まりだ。


「うわ! なにそれ悲惨!」


そんな声に振り向くと、マナミとリサが笑っていた。


「でも本当のことしか書いてないよね? 嘘つきだもんねぇ?」


リサはゲラゲラと下品に笑う。


「ちょっと、なにしてんの!」


3人の反応に怒ったのはノドカだった。


ノドカは顔を真っ赤にして怒り、吉田さんからノートを奪った。
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